フフフフンフフンフフーン

10年前によく車で聴いてた曲を耳にした

え、これが10年前なのか、、、

この曲を聴いてた時の自分は、何もかもが今の自分と違っていた

仕事、場所、生活、持っているもの、物の考え方や感じ方、世界の見え方、交友関係や過ごし方、趣味、取り組んでいること、お金の使い方、服装、情動、未来の見え方や望んでいること、社会や自分への信頼感、悩み

いや内面の話だけではない、見え方だけではなく実際の社会や経済のあり方、それによって生活もまるで違った、自分が長い時間を過ごした場所のうち、なくなったものはかなりたくさんある、というか残ってる物の方が少ないかもしれない

当時は毎日深夜まで働き、休日も働き、余った時間で生活し、どこに行くにも車だった

車は、よく壊れることで有名な車だったし実際そんな感じだったが、しかしそういう部分を受け入れた上で、都合良くはないが全てが気に入っていて、自分が最も信用している物の一つで、一番自分と長く時間を過ごした物だと思う(そのくせ看取り方が最悪で、いまだにときどき、懐かしさと当時の生活のうらやましさとセットで、後悔が反芻される)

仕事も生活も何段階も変わった、本当に何段階もあった

まだ10年しか経ってないのか、、、

今も今でやりたいことはあるのだが、でも当時は幸せだったのだな、と思ってしまう

当時は当時でかなり苦しんでいることも多かったが、まあ極端なこと言えば年齢的に脳やホルモンの働きなんかも違うわけだし、いろんなものが覆い隠してくれてたんだなと

うまくいってなかったし、悲しんでもいたが、その夜の砂漠の凍える乾きや、あるいはマグマの中にいながら、すがる以上に楽しんでいることも多く、苦しみに目は引かれていてもどこか短期的にしか見えていなくて、結果的に今の頭から見ればずっとお気楽で、上にも下にも振れ幅が大きかったんだなと思う

あけすけな言い方をすれば、若かったってことなのかな、当時ですら若いとは思ってなかったけど、とはいえ今ほどの変化はその気配にすら触れていなくて、みじんも感じてなかったな

その、知らないゆえの、知り足りないゆえの解放と、短絡的で味のはっきりした情動みたいなのが、まあうらやましいんだなと

そりゃそうなのかな、あれから解放されたこともあるけど、解放されていたことのほうが多かったかもなと思う、いや忘れてるだけか

人生の選択に後悔があるではなく、少なくとも選択できたことには後悔はないけど、音楽かけて車であちこち走り回り、よく深夜に長距離移動してた頃は、懐かしく思う

(一方で人生そのものには後悔だらけだったりもする、かといって身の回りも含めて否定したくもないし、むしろ過去がただ過去にそうあったことに感謝があるくらいだが、採点していい点にはなるわけでもない、点数はその日の視点でものすごく動き回る)

10年って短いようで、長いんだなー

それが一番意外だった、でもそりゃそうだよ、当たり前だわ

自分としても、よく10年でこんなに色々変わったもんだな、あれこれ変えたもんだな、結果的にとはいえよくできたな、と驚いてしまうな

今から狙ってやれって言われたら無理よこんなの、そんな変化を起こした、起きた、それを過ごした、耐えたり生き延びたりしたことが、どれも信じられない

次もまたそうであってほしい、ただ、楽しみなような、それ以上に恐ろしいような